歩く_草花_想う by tadashian

健康のためノルディックウォーキングに励むシニア、如何にして就業寿命を伸ばすか考える毎日と雑感

「お金2.0」を読んで

こんにちは、tadashianです。

 

今回の本は2年前に読んだ、株式会社メタッブス 代表取締役社長 佐藤航陽(さとうかつあき)さんの「お金2.0」です。

お金にバージョンなんかあるの、って言われそうですね。著者は「お金や経済とは何なのか?」とその正体を多くの方に理解してもらい、さらに使いこなして、目の前のお金の問題を解決してもらいたくて、本著を執筆したそうです。

 

 

 多くの人の人生の悩みは①人間関係、②健康、③お金の3つあって、特に③のお金によって人生の道が狭められてしまったり、日常がうまく回らなかったりする経験を一人でも少なくしたいという思いが根底にあったそうです。「お金」や「経済」もまだまだ発展途上であり、人間は今と違う経済のルールと生き方(バージョン2.0)を目指せるとしています。

では未来に向けての引っ張る力(ベクトル)は何なのでしょうか?これには3つのベクトルがあるとしています。①お金(経済)②感情(人間)③テクノロジーの3つです。

お金の影響は確かに強いですが、人の感情を抜きにして継続することはできません。テクノロジー、ですがこれを重視する人はほとんどいません。テクノロジーのことを考えなくても生活できるからです。ただ、テクノロジーが大変革のキッカケを作ってきたことは紛れもない事実です。

古くは、ルネッサンス期における紙(活版印刷)・火薬・羅針盤(これらはすべて元々中国が発祥です)。産業革命時における紡績機・蒸気機関、昨今ではコンピュータが半導体や電気などの複数の技術革新の塊のような存在ですし、AIの進歩はネットに接続されたデバイスとデータがあふれたことが根底にあります。最近はこのテクノロジーの影響が強まっています。

特に金融は、Fintech(フィンテック)がITなどの新たなテクノロジーで金融の世界が破壊的に変化するトレンドになっています。著者はFintech1.0を現に存在する金融の概念は崩さずに、ITを使ってその業務を限界まで効率化することと定義しています。

それに対してFintech2.0は1.0とはまったく異なり、近代に作られた金融の枠組み自体を無視して、全くのゼロベースから再構築するものと定義しています。お金2.0もここから表現したと著者も述べています。

その典型がビットコイン等の「仮想通貨」(注:現在では既存の法定通貨と紛らわしく、誤解を招くことがあったため、2018年の国際会議で「暗号資産」(英:crypto asset)の呼称が使われています)は円やドルのよう中央銀行が発行するわけでもありません。また楽天のような管理者がいるわけでもありません。にもかかわらず仕組みとして成り立っています。

通常の金融の知識だけでなく、ゲーム理論、暗号理論、P2Pネットワークなどの知識が必要と述べています。

つまり、「2.0」はあまりにも既存の社会の常識とかけ離れているので、今の経済のメインストリートにいる人たちにとっては懐疑・不安の対象になりやすいと述べています。しかし、それこそが全く新しいパラダイムであることの証、としています。

ではどのような方向に進んでゆくのでしょうか?IT化やグローバル化の流れで世界は複雑化が進み、資本主義の進展に伴って全体が裕福になってゆくと、単純な需要を目指すだけでは供給過多に陥って、経済システムは成り立たなくなるとしています。

そのため、持続的に成長する企業の条件として働く人たちに高い水準での金銭的な報酬と社会的な報酬を与えて、激しい変化を繰り返し秩序を可視化し、明確な理念をメンバーに浸透させることに多大な尽力を注いでいます。

サービスではSNSが非常によくできた経済システムとしています。「いいね」や「RT」や「スター」は「金銭」ではなく「承認」という欲求を満たすための装置であり、ユーザー間でやり取りされる通貨のような役割を担っています。拡散によって増えてゆくフォロワーは貯金のようにたまってゆく「資産」に近いとしています。

続いて、著者は経済と脳との関係に着目しています。私たち人間や動物は、欲望が満たされた時に「報酬系」または「報酬回路」といわれる神経系が活性化して、ドーパミンなどの快楽物質を分泌するといいます。今後、VR等の新しいテクノロジーが発達すると人間は今とは異なる状況に快楽を感じて、新しい欲望を生み出すとしています。ただ、脳の報酬回路は実際は効きすぎるので、「飲みすぎ厳禁」の「栄養ドリンク」と考えるようにと、警告しています。

 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 

世の中に膨大なデータが溢れてことで進んでゆく「自動化」と、ネットワーク型社会に移行することで起こる「分散化」という2つの大きな潮流は今後の10年を考える上でとても重要なキーワードになるとしています。

今後クラウドソーシング・人工知能ブロックチェーンをうまく組み合わせることで自律分散の仕組みを実現でき、これは10年以内に安価で誰でも構築できるとしています。つまり「経済の民主化」が起こり、万人が経済自らの手で作れるようになると、今以上に社会は変化、つまりお金そのものに価値がなくなっていき、むしろどのような経済圏を作って回してゆくかというノウハウが重要になると著者は言い切っています。

著者は「価値主義」というものを提唱しています。それはお金が価値を媒介する唯一の手段であるという独占状態が終わりつつあるとしています。価値をを保存・交換・測定するのに「お金」である必要はない、としています。価値を最大化すればいろいろな方法で好きなタイミングで他の価値と交換できると言うことです。 

1億円の貯金があることと、100万人のフォロワーがいることのどちらが良いかは人によって違います。ネットの普及で自分の価値をどんな方法で保存しておくか、選択できるようになっていると述べています。

AIなどのテクノロジーが急速に発達していき、大半の労働が価値を失います。そうなると大半の人が失業してしまいます。そこでベーシックインカムを導入する国が出てくると思います。そうなるとお金はもっとあったらよく便利もので、なくてなならないものではなくなっているはずです。つまり、ベーシックインカム後の人々は今の私たちとは全く別の生き方をするようになっているといいます。

ネットが普及した現在、「どれが一番正しいか?」という考え方ではなく、「どれも正しい、人によって正解は違う」という考え方が受け入れられる、としています。

そして、著者は最後にお金と時間の2つの特徴を混ぜた「時間経済」を作ってみることにしたとして結んでいます。

 

私のような年代のものにはとてつもないパラダイムシフトと言えます。ただ、時代は変わっていくその途上です。私が生きている間このような変化が起こるのかどうかは、私には分かりません。